建設業と派遣
建設業
皆さんは建設業務において派遣は禁止されているのを御存知でしょうか?(労働者派遣法第4条)
建設業許可等に係る業務に携わっていると、これを認知していない方がとても多いことに気がつきます。
そもそも、建設業務において何故派遣が禁止されているか。大きく分けて次の二つが挙げられます。
Ⅰ.労働者の安全確保
建設現場では異なる企業からの労働者が協力して作業するため、指揮命令系統が不明瞭になるというデメリットがあり、結果的に労働災害のリスクが高まる恐れがあります。また災害が発生した場合、責任の所在が曖昧になり、労働者本人が不利益を被ることになりかねません。例えば、労働者派遣契約に基づいて現場作業員が派遣され、労災事故が起きたとします。下請けの場合は、元請との契約がありますが、派遣による作業員は元請との直接的な契約関係はないため、誰が手続をするのか?という問題になってきます。
Ⅱ.雇用の安定
二点目は不安定な雇用の防止です。建設業は需要が不安定で「受注生産」が基本になります。労働者派遣が認められると、業務量の少ない時期には大量の労働者が派遣切りにあうことになり、雇用の不安定性が増大する可能性があります。これでは業界として安定的な職人の確保がままなりません。(この点を解消するための制度として「建設業務有料職業紹介事業」や「建設業務労働者就業機会確保事業」があります。)
よく見受けられるのが「人工出し」という言葉で、請負ではなく作業時間に応じた人件費として報酬を受け取っているような場合です。こちらもここで禁止されている「派遣」に当たってしまいますので注意が必要です。